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ヤマハ発動機が投入、砂利道も快適に走れる「電動アシスト自転車」の全容

ヤマハ発動機が投入、砂利道も快適に走れる「電動アシスト自転車」の全容

アパレルブランドと協業、アウトドアレジャーの世界観を伝える

ヤマハ発動機は、砂利などがあるグラベルロード(未舗装路)での走破性に優れる電動アシスト自転車「ワバッシュRT」を3月に投入する。コロナ禍でアウトドアレジャーの需要が増える中、特に欧米でグラベルロードを走って楽しむ自転車愛好家が増えている。ヤマハ発はアパレルブランドと協業してワバッシュRTをアピールするなど顧客開拓を積極化し、日本でもグラベル電動アシスト自転車の愛好者を増やしたい意向だ。(浜松・市川哲寛)

カジュアルなファッションで、美しい景色を求めて林道を走り、夜は積んできた道具でキャンプを楽しむ―。グラベルロード対応の電動アシスト自転車の利用シーンはこんなイメージだ。本格的なアウトドアスタイルではないが、「非日常的でアドベンチャー要素も含む」(ヤマハ発のSPV事業部の商品企画担当者)という点がポイントだ。

このためグラベル電動アシスト自転車には、オフロードの走破性とオンロード走行時の快適性の両立が求められる。またバッグやボトルゲージなどのアクセサリー類を装着する機能も求められる。

こうした条件に応えるためワバッシュRTは、走行条件やユーザーの運転技能レベルに合わせて出力を補助するドライブユニットを搭載した点が最大の特徴。スピードセンサーなどからの情報を演算し、適切なパワーをアシストする。価格は43万8900円(消費税込み)で、国内で年間1000台の販売を見込む。

ワバッシュRTのPRでは、デイトナ・インターナショナル(東京都渋谷区)が展開するアパレルブランド「フリークスストア」と協業する。キャンプ用品搭載用のキャリアやバッグなどを装着したカスタム仕様車を製作し、同ブランドの店舗で展示。また関連アパレルを販売し、ワバッシュRTが実現するアウトドアレジャーの世界観を伝える。

SPV事業部の担当者は「使い方までイメージしてもらえるようにシーン(の訴求も重視して)大切に育てたい。日本でも支持してもらえると期待している」とする。山国である日本は、ワバッシュRTが活躍するフィールドには事欠かない。多くのファンを獲得できるか注目される。

日刊工業新聞2022年2月3日

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