PSアワード・経産大臣賞のベネッセ、「製品安全活動」定着の背景にあるビジネスモデル

安全は信頼得る必須条件 横串組織、事業部と連携

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ベネッセコーポレーションは、パーパス・イズムに基づいた製品安全活動、製品に関わる全事業部門における「商品安全PDS推進」、安全管理部と事業部門連携による「個別製品の安全担保」の取り組みが評価され、第15回製品安全対策優良企業表彰(PSアワード)で経済産業大臣賞を受賞した。

ベネッセコーポレーションでは早くから、製品安全活動が当たり前のこととして定着していた。「進研ゼミ」や「こどもちゃれんじ」の名称で知られる通信教育事業を柱の一つとする同社のビジネスモデルがその背景にある。

店頭で手にとって確かめてもらう製品とは異なり、通信教育はダイレクトメールなどで内容を理解してもらったうえで契約し、長期間にわたり教材などの製品を顧客に届けることになる。このため、顧客の信頼を得ることが何よりも大事で、安心・安全な商品・サービスを提供することは、顧客の信頼に誠実に応えるための必須条件との認識が自然に醸成されてきたからだ。

また、通信教育という性質上、顧客への「お届け」は同一タイミングとなる。店頭販売と異なり、大量な製品を一斉に届ける。万が一安全上の事故が発生すればその影響は甚大となることも、製品安全活動が必要な理由だ。

高い意識を持つベネッセの安全管理活動だが、さらなる向上へと進む転機となったのが2008年。全社的な安全管理を担う専門部署が設置され、それまで各事業部門で取り組んでいた活動に横串を刺す形で、より高いレベルの安心・安全を提供する体制が整えられた。翌09年には商品に関する安全基準を明文化し、それに沿った形での安全審査の実施、あるいは取引先を登録・評価する制度を導入するなど、安全管理に関するマネジメントシステムの本格的な運用をスタートさせた。

20年には「パーパス」(会社の存在意義)と「イズム」(5つの判断基準と10の行動基準)が経営より発表された。社員一人ひとりがぶれず、顧客に役立つ価値を創造するという原点に立ち返るためのよりどころとなっている。その中の行動基準の一つに「お客様の心と体のありようを理解し、全てにおいて安心・安全を提供し続けます」と明記。顧客本位で安全管理活動に取り組む覚悟が謳われている。

それを実現させるために横串組織の「商品・サービス安全管理部」と各事業部が適度な緊張関係のもとに共同で安全管理活動に取り組んでいる。それぞれの事業部に「安全担当責任者」を配置し、製品安全への取り組みに関する目標設定・計画・実行・検証・次年度申し送りのサイクルを回す「商品安全PDS推進」を展開。商品・サービス安全管理部が全社の状況を俯瞰しつつ、必要に応じ事業部門を支援、けん制する仕組み。

商品・サービス安全管理部の木村剛部長は「現場・現物・現実の三現主義で、基本に忠実な活動を地道に積み上げ、常にお客様の視点に立つ」と、安全管理に取り組む姿勢を説明する。今回、経済産業大臣賞を受賞したが「これで満足とかゴールに到達したという考えはない。むしろここからがスタートだ」と強調する。

【会社概要】
▽設立=1955年
▽代表者=代表取締役社長・小林仁氏
▽所在地=岡山市
▽従業員数=1908人(2021年3月時点)
▽事業内容=教育・生活事業
製品安全対策優良企業表彰(PSアワード)
製品安全に積極的に取り組む製造事業者、輸入事業者、小売販売事業者、各種団体を企業単位で広く公募し、厳正な審査の上で「製品安全対策優良企業」として表彰する。各企業が扱う製品自体の安全性の評価ではなく、製品安全活動に関する取組を評価する。受賞企業・団体は「製品安全対策優良企業ロゴマーク」を使用し、製品安全対策の優良企業・団体であることを宣伝・広報できる。

日刊工業新聞2022年2月1日

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