ブリヂストンが「日本企業に合う」人事制度を運用。意思決定を早める秘訣とは

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ブリヂストンは「B―HRX」と呼ぶ独自の人事制度改革を進めており、1月に新制度の運用を始めた。組織階層をシンプルにし意思決定を迅速化するとともに、ジョブ型とメンバーシップ型を組み合わせたハイブリッド型を導入した。「日本企業に合った制度改革」(江上茂樹HRX推進・基盤人事統括部門長)により、激変する環境変化に対応し、タイヤの利用データの活用といった新分野の開拓・拡大を盛り込んだ中期経営計画の達成を目指す。

新制度では人中心から職務中心の考え方に改めた。組織階層を5階層から「経営層」「幹部層」「管理層」の3階層にシンプル化したほか、年功序列型の評価・報酬制度を廃止。賞与は従来通り成果で決めるが、昇給は目標に対する成長度合いで評価する。実行のために人材要件も定義し直した。

また、専門性が高い職種にジョブ型雇用制度を導入した。効果を見極めながら、2023年までに管理職まで広げる予定だ。対して、一般層は日本流のメンバーシップ型を維持する。高品質製品の提供や創業精神など、自社の強みを従業員が継承していくには従来方式が最適と判断。優秀な外部人材の獲得と内部人材の育成を両立していくためにも独自のハイブリッド型制度を模索・構築した。

これまでの役割や責任、評価基準の曖昧さを改善し、従業員に対する経営側の期待をより明確に示すことで企業の成長と個人の自己実現を図る。B―HRXでは中計の達成だけでなく従業員の人生の充実との両立を目指しており、江上部門長は「(会社と従業員の)互いのパーパス(存在意義)が一致した時、企業は大きな力を発揮できる」と力を込める。

B―HRXは短期間に複数の施策を実行しており、当面は制度の定着や効果検証に努める方針だという。内容の改善やデジタル化が今後の課題となる。

日刊工業新聞2021年10月12日

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