阪大COIで技術開発、英会話塾の運営企業が始める「脳科学コンサルティング事業」の中身
英会話塾を運営する進鳳堂(東京都目黒区、小倉進太郎社長)は、ウエアラブルな脳波計を用いて教材の脳科学コンサルティング事業を始める。脳波計や脳波解析技術は大阪大学のセンターオブイノベーション(COI)拠点で開発された。COI事業で生み出された脳科学と進鳳堂の教育事業のノウハウを組み合わせて、教育プロセスの評価基準作りを支援する。
英会話などの教育事業では、話せるようになったという効果評価が主観に依存する問題があった。テストでコミュニケーション能力を評価することにも限界がある。そこで脳波計で集中力などを測り、プロセスの評価基準に用いる。英会話を理解して楽しめていれば集中力が増し、習熟度を反映した評価基準になり得る。
阪大COIでベルギーの研究機関imecと開発したドライ電極型脳波計で学習中の脳波を測る。8端子で各部位の電位を測るため、さまざまな要素を評価できる。社内の英会話学習を脳科学で評価し、集中力を高める環境作りや個人に合わせた教材選びなどを進めてきた。
このノウハウを他の教育事業者にもコンサルティング事業として提供する。教育事業の学ぶプロセスに評価基準を導入すると、パーソナルトレーニングジムの体組成管理のように成果がわかりやすく得られるまでのモチベーションにつながる。
2月にはデバイスの製造を担う企業が決まるという。まずはコンサル事業でビジネスモデルを作り、デバイスの数を確保したらユーザーに提供し社会実装していく。
日刊工業新聞2022年1月25日