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日産が東工大と開発した「短波長化材料」で狙う効果

日産が東工大と開発した「短波長化材料」で狙う効果

日産が東工大と共同開発した固体フォトンアップコンバージョン材料

日産自動車は、東京工業大学と光の短波長化材料「固体フォトンアップコンバージョン材料」を共同開発した。これまでエネルギーとして利用されていなかった長い波長の光を16%の量子効率で短い波長の光に変換できる。日産は人工光合成を利用して樹脂原料を製造する過程で同材料を実用化し、自動車製造時の二酸化炭素(CO2)削減につなげる考え。

開発した材料は太陽光などの光照射に対し、安定して空気中で使用できる。日産は光エネルギーを光触媒に与え、水を水素と酸素に分解する人工光合成で同材料を活用。水素を効率良く取り出し、CO2と反応させて樹脂原料「オレフィン」を製造する。

同材料により人工光合成の課題だった光の利用効率を高められる。それに伴ってCO2の再資源化を推進できる。今後は素材や部品メーカーなどとも連携。人工光合成によるオレフィンを使い製造した樹脂部品を日産の新車に採用し、製造時のCO2排出量削減を目指す。

日刊工業新聞2022年1月21日

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