コロナで大打撃のJAL、「非航空ビジネス」で利益積み増しなるか
日本航空(JAL)は会員制サービス「JALマイレージバンク(マイル)」やコマース(物販)など、非航空ビジネスを伸ばす。2021年度発行マイル数に占める非航空の割合は約70%(19度は約60%)まで高まる見通し。足元では住宅ローンなど飛行機の搭乗以外で「マイル」が貯まる機会を増やしており、コロナ禍でも感染状況による影響を受けにくい消費者の生活に密着したサービスを強化する。
JALは中期経営計画で24年3月期にEBIT(利払い・税引き前損益)を1700億円の黒字に、26年3月期に約1850億円の黒字まで高めることを掲げている。新型コロナ感染拡大前の20年3月期のEBITは888億円(21年3月期は3983億円の赤字)だった。24年3月期までにマイルや物販などの拡大により、160億円の利益積み増しを目指す考えだ。
現在、JALのマイル会員数は約3000万人とみられる。新たな変異株「オミクロン株」など新型コロナウイルスの状況が不透明な中、マイルや物販といった生活関連の売り上げをドライバーの一つに位置付けていく。
JALは21年11月、持ち分法適用会社で商事・流通を担うJALUXを22年3月めどに連結子会社とする方針を公表。双日と設立した共同出資会社を通じてTOB(株式公開買い付け)を2月上旬に実施する予定で、JALUXを非公開化する考えだ。
非航空分野で消費者との接点を持つJALUXとの連携を強化することで、電子商取引(EC)事業などを強化していく。
日刊工業新聞2022年1月6日