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アシザワ・ファインテックの健康経営、担当者が実感する効果

アシザワ・ファインテックの健康経営、担当者が実感する効果

実質220円で食べられる玄米弁当(アシザワ・ファインテック提供)

アシザワ・ファインテック(千葉県習志野市、芦沢直太郎社長)は、健康増進プログラムを作成するライフ薬品(同八千代市)のサポートを受け、2015年から健康経営を本格化した。健康診断などの結果からPDCA(計画、実行、評価、改善)を回すことで進化を続ける。その取り組みにより「常備している風邪薬が減らなくなり、使用期限が切れるようになった」(人事総務課の宮下絢課長)ほどだ。

身近な食事改善から始め、ハードルも低くした。まず各自が摂取する塩分量を測定した上で、カリウムには塩分の排出を促す作用があるなど、減塩対策の勉強会を行った。

16年には健康診断の結果から従業員を血糖とコレステロール、肝機能の数値で5チームに分け、チーム内で励まし合いながら各人が目標とする数値の達成を目指した。ライフ薬品からは管理栄養士が派遣され、アドバイスを受けるとともに、勉強会を開いた。

同年10月にスタートし、17年6月の健康診断では「ほぼ全員が目標としていた数値に達した」(宮下課長)。部署などの垣根を越えたメンバーでチームを構成することで、コミュニケーションも活発化するなどのシナジー(相乗効果)もあった。

現在、取り組むのが玄米の積極的な摂取だ。昼食をカップラーメンなどだけで済ませる若手を見て、芦沢社長が従業員の健康が心配になったのがきっかけだ。昼食に玄米弁当を価格420円で提供しているが、この内、200円を会社が支給している。

宮下課長は「食後の眠気とだるさがなくなった」と評価する。従業員からも「便通が改善した」「かむ回数が増えるので満腹感が早く得られる」などと評判も上々だ。

さまざまな制度を設けるだけではなく、一体感があり、アットホームな雰囲気の社風が健康経営を根付かせた。現在は食事に加え、睡眠と運動、コミュニケーションの4本柱とし、社を挙げて従業員の健康増進を後押しする。(編集委員・中沖泰雄)

日刊工業新聞2021年12月29日

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