奈良先端大が設立「NAISTバイオエコノミーコンソーシアム」が担う役割
奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)は環境や生物圏に負担をかけない経済活動や技術開発を目指すバイオエコノミーの実現に向け、2022年4月に「NAISTバイオエコノミーコンソーシアム」(仮称)を設立する。企業が同大学の多様な研究者と課題解決に向け話し合える場を設けたり、リカレント教育を提供するなど企業とのつながりを強め、ウィンウィンの関係を築く。会員は順次増やし、100社を目指す。
バイオエコノミーや国連の持続可能な開発目標(SDGs)に興味がある企業が会員となるほか、官公庁なども関わり、同大学のシーズと企業のニーズをマッチングさせる。同大学と関わりのある企業に声をかけており、設立当初は10社程度が会員になる見通し。年会費は正会員1社当たり年20万円とする予定。
21年設立したデジタルグリーンイノベーションセンター(CDG)の本格始動に向けた組織づくりの一環。個々の企業が同大学の複数の研究者に相談できる場を定期的に設けるほか、個別に連携プロジェクトの提案も行う。またバイオエコノミーに関する大学院修士課程1年レベルのリカレント教育も企業向けに提供する。バイオエコノミー関連のシンポジウム開催など啓発活動も手がける。
CDGの出村拓センター長は「大学が単独でバイオエコノミーを考えても社会的課題の解決につながらない。企業と一緒に取り組み、ニーズを吸い上げることが重要」とコンソーシアム設立の意義を話している。
日刊工業新聞2021年12月29日