ICUと連携拡大で社会科学系教員を招く、奈良先端大学の狙い

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CDGのバイオエコノミー部門がある建物(奈良先端大提供)

奈良先端科学技術大学院大学は先端技術の発展のための文理融合を推進する。国際基督教大学(ICU)の社会科学系の教員2人を、近く「デジタルグリーンイノベーションセンター(CDG)」の「バイオエコノミー部門」に客員教員として招く準備を進めている。客員教員の助言を得て、奈良先端大で初となる社会科学系教員の採用も目指す。10月に設置30周年を迎える同大が次の30年に向けて掲げる「共創」の一環として、社会科学を活用する。

CDGはバイオ分野と人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)などの情報技術やデバイス技術を合わせ、社会実装と人材育成を図る拠点。奈良先端大の持つ3領域であるバイオと情報、物質の研究を融合し、環境問題や食糧問題といった社会課題の解決に取り組み、国連の持続可能な開発目標(SDGs)に貢献する。

バイオエコノミー部門では社会科学系の研究者の視点を取り入れ、先端科学の活用方法を探っていく。社会課題の探索や応用にあたっての問題点の検討などが深められるとみている。

奈良先端大とICUはこれまで理系研究者同士の連携実績があるが、文系研究者とも連携して協力関係を深める。このような取り組みは珍しく、国立大学と私立大学の強固な連携事例として注目される。

理系の先端技術の研究教育を目的に設立された奈良先端大が社会科学系の研究者を直接採用することは大きな変革と言える。今後の先端分野における革新的な文理融合が期待される。

日刊工業新聞2021年6月16日

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