大成建設はなぜ3年連続で男性育休の取得率100%を達成できるのか

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建設業界では女性活躍の場が増えており、男性社員の意識改革が求められている

家族の絆強く-働く意欲向上目指す

大成建設が女性活躍推進の一環で導入した育児休暇制度による男性社員の休業取得率が、3年連続で100%に達する見通しとなった。同制度は子どもが満2歳になるまで育児休暇が最大2年間取得でき、このうち5日間が有給休暇となる。同社は社内の意識改革を進めながら、2020年7月には分割取得を認める制度改定を実施し取得を促してきた。家族の絆を強めることで働く意欲の向上も目指す。

 

大成建設は女性活躍推進と少子化対策につながる「男性社員の育児支援」を重要課題の一つに位置付けている。育児休暇制度は16年7月にスタート。出産直後や乳児の育児でのパートナーへの協力を促し、育児をしながら働く女性社員に対し理解や協力を深めるのが狙い。特別なライフイベントを家族と過ごすことで男性社員の働く意欲の向上も目指す。

 男性社員の休業取得率は、初年度の対象者が259人に対し取得したのは244人と94・2%にとどまったが、17年度は対象者が241人、18年度は253人で、いずれも取得率100%を実現した。19年度は21年11月末現在、対象者は232人で取得したのは208人(89・7%)となり、22年4月までには100%に達する見通し。これにより17年度以降、3年連続で100%に達することになる。

制度の開始当初、「上司の理解が得られず育児休業が取得できない」というアンケート結果を受け、上司の意識改革を進めるため、部下の育児や介護に理解を示す「イクボス」向け研修制度なども導入。全社員の意識を高める必要もあることから、社長が取得を促すメッセージを社内に発信することで取得率向上を目指してきた。

 

一方、同制度では休暇を最大2年間取得できるが、平均取得日数が1週間程度にとどまっている。取得日数を増やすため、20年7月の運用改定では取得要件を従来の1回から計3回までの分割取得を可能にした。これに加え、これまでは申請した社員に付与していたが、出生届を提出した社員に付与する制度に改定することで、より取得しやすくする環境作りを整えた。

 

建設業界では若手を中心に担い手不足が深刻化し、女性を重要な戦力としている。そのため生産性向上などによる柔軟な働き方ができる職場改革に注力する必要がある。

日刊工業新聞社2021年12月28日

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