大林組がドローン活用の進捗管理で実現した作業効率化の中身
大林組、NTTドコモ、NTTコムウェア(東京都港区)は、飛行ロボット(ドローン)を活用した屋内建設現場での進捗(しんちょく)管理業務の実証実験で、効率的な作業を実現した。工事の進捗を記録する写真をドローンが自動で撮影。3次元(3D)データ上の任意の作業箇所をクリックするだけで工事写真を時系列で容易に比較でき、作業の自動化で現場作業の負担が軽減する。
実証実験は7、8月に都内の建設現場で行い、米Skydio製小型ドローン「Skydio 2」を使用した。機体に搭載するカメラで撮影した映像から、周囲の3D環境と自己位置を推定。優れた障害物回避性能を備え、狭小で複雑な空間でも撮影しながら安全に飛行できる。
また、ドコモ開発の技術検証用ドローン飛行プログラムを活用して多地点を通過するルートの事前設定が可能。全地球測位システム(GPS)の位置情報の取得が難しい環境でも自律飛行できるようになった。
さらに、NTTコムウェアのドローン点検ソフトウエア「KnowledgeMap 4D」により、ドローンの飛行の軌跡と撮影点を3D空間上に配置し、撮影時のドローンの位置や高度の正確な把握が可能となった。撮影画像は3Dデータ化して同ソフトに取り込むことで、建設現場を再現した3D空間上に工事写真の撮影箇所に反映できる。
日刊工業新聞社2021年12月20日