経験が浅い技術者も容易に「タイヤ設計」、横浜ゴムがAI技術を運用
横浜ゴムは人工知能(AI)を用いたタイヤ特性値予測システムを開発し、設計での運用を始めた。膨大な仮想実験が可能で、開発スピードや商品性能の向上、コスト低減に役立つ。経験が浅い技術者によるタイヤ設計も容易になるとしている。
タイヤの構造や形状、物性値に関する材料データ、評価条件を担当者がシステムに入力すると、予測されるタイヤ特性値をAIが出力する。2020年に実用化した、AIを用いたタイヤ用ゴムの配合物性値予測システムと組み合わせ、タイヤ商品開発を進める方針だ。
AIの予測精度低下を抑制する工夫もした。タイヤ設計は内部構造によってパラメーターの種類や数が異なる。このためAIの学習に用いるデータを細分化する必要があり、予測精度向上の妨げになっている。特性値予測システムは他領域で得た予測能力を活用し、精度を向上する。
日刊工業新聞2021年12月15日