SiCパワー半導体向け絶縁ゲートドライバーの生産能力拡大、ロームが82億円で工場新棟
ロームは約82億円を投じて、マレーシアの生産拠点にアナログLSI(大規模集積回路)、トランジスタ生産の後工程を担う新棟を建設する。旺盛な需要に対応するための生産能力拡大と、事業継続マネジメント(BCM)強化が目的で、フィリピンやタイに加え同拠点でも供給体制を整える。2022年1月に着工し、24年1月以降の稼働を想定。稼働後のマレーシア拠点全体での生産能力は約1・5倍になる見込みだ。
マレーシア製造子会社の敷地に建てる新棟で生産するのは、炭化ケイ素(SiC)パワー半導体などを駆動させるための絶縁ゲートドライバー。自動車や産業機器向けに採用が進み、ロームが26年3月期までの中期経営計画で注力する製品だ。
3階建ての新棟の延べ床面積は、2万9580平方メートル。高効率な最新設備を導入し、環境負荷低減に配慮する。省人化ラインの展開も進めつつ、同拠点に現在2000人いる従業員を、新棟稼働に合わせ増員する予定。
日刊工業新聞2021年12月14日