西武ホールディングスが「ソーラーシェアリング」に注力するワケ

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太陽光発電システムの下で栽培するブルーベリーの苗

西武ホールディングス(HD)のグループ会社である西武造園(東京都豊島区)と西武アグリ(埼玉県所沢市)は、三菱HCキャピタル(東京都千代田区)のグループ会社であるHGE(同港区)と共同で、農業と太陽光発電事業を同時に行うソーラーシェアリングの取り組みを始めた。

所沢市内に設置した太陽光発電システムによる電力供給と、ブルーベリーなどの栽培の両立を目指す。西武HDの後藤高志社長は、「ソーラーシェアリングは農業と発電事業を両立する新たなビジネスモデル。沿線地域の活性化や雇用の創出、環境保全にも貢献する」と期待を込める。

発電量の年間予想は約111万9000キロワット時(一般家庭約311世帯分)を見込む。発電事業主のHGEを通じ、ところざわ未来電力(所沢市)に全量を売電する。電力は所沢市の公共施設に供給され、電力の地産地消を図る。

太陽光発電システムの下で、西武アグリがブルーベリーやワイン用と食用ブドウを栽培する。すべての農地を用いて栽培すると、8年目には年間約1万3600キログラムの収穫量となる見込みだ。

西武グループでは農業分野へ参入するにあたり、2020年に西武アグリを設立した。西武アグリの清野友美社長は、「当初、パネルの下ではブルーベリーのみの栽培を予定していた。所沢は野菜の栽培は多いが、果物は少ないというアドバイスをいただき、ワイン用ブドウや食用ブドウも栽培することにした」と説明する。

西武造園などが管理する公園でみつばちを用いた環境教育事業「はち育」を展開している。西武造園の古橋美紀子営業部プロモーション課長は、「子どもから大人までさまざまな世代に向けたプログラムを実施している。はちみつやクッキーなど、オリジナル商品の開発も行っている」と語る。

所沢においても「はち育」を展開していく方針で、地域との結びつきの強化にもつなげていく。

7月に竣工式を開いた(後藤高志西武ホールディングス社長(左))

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日刊工業新聞2021年8月10日

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