リンナイ100周年、M&A・積極投資で攻めの経営へ

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販売好調なガス衣類乾燥機「乾太くん」

リンナイが創立100周年を迎えた。創業者の内藤秀次郎と林謙吉が灯(とも)した情熱の炎を先人がつなぎ、今ではガス器具で国内首位、海外でも高いブランド力を誇る高収益企業に成長した。一方で、国内の人口減少や世界的なエネルギー問題など環境の変化への対応が急務だ。百年のその先へ。さらなる成長を目指し、大型M&A(合併・買収)や非ガスの新規事業など、攻めの経営へと舵(かじ)を切る。

「いい会社があれば、1500億円くらいは出せる」と内藤弘康社長はさらりと言う。現在、2021年春にスタートする新中期経営計画を策定中。そこにはM&Aや新規事業など、未来への戦略投資を盛り込む予定だ。

1500億円は売上高の半分に近いが、強気な発言の背景には、堅実経営で蓄積した潤沢な手元資金がある。20年3月期の内部留保は前期より240億円積み上げ1400億円。「リスクに強い財務基盤と成長投資のための下地づくりが順調に進んだ」(内藤社長)と自信を見せる。

21年3月期は4、5月に新型コロナウイルスの影響を受けたものの、夏以降は挽回し、生活関連品の底堅さを証明した。中でも販売好調なのが、ガス衣類乾燥機「乾太くん」だ。発売から約30年経つが「ようやく良さが認知され、大ブレークした」(同)と喜ぶ。

春に発売した「マイクロバブルバスユニット」も「湯があっという間にまっ白な泡に満たされる」(同)と好評。「生活の中のちょっとした不満点を見つけ、きちんと魅力付けをすれば既存製品でも顧客に喜んでもらえる商品はまだある」(同)と自信を深めた。

一方で、ガスと電気の両方を使ったハイブリッド給湯・暖房システムや、海外で食器洗い乾燥機、電磁誘導加熱(IH)などの電気式製品も取り扱うなど、エネルギーにこだわらない商品展開も着々と進める。新規事業の種を見つけるため、異業種とのコラボレーションをスタートさせるなど、さらなる成長に向けた種まきにも余念がない。

インタビュー/リンナイ社長・内藤弘康氏 次世代へ社員一丸 異業種と連携、新たな発想に期待

リンナイ社長・内藤弘康氏

―創立100年を迎えました。

「世界的な景気の波や自然災害に備え、財務基盤を強化してきた。過去に人員整理のリストラをしたことはなく上場来、40年近く赤字決算もない。先人が築いた百年を次世代へ渡していくことが我々の使命だ」

―大型買収にも前向きですね。

「父で前会長の内藤明人がドイツのシュバンクと特許契約を結んだ時の特許料は売上高の3分の1に相当した。結果、飛ぶように売れ、技術基盤を築くことができた。おやじは運が良かったと笑っていたが、今ならもっと思い切った投資ができる財務基盤がある」

―リンナイの強みは。

「社員のベクトル合わせがきちんとできていること。仮に70点の方向性でも一丸で達成すれば、方向性が100点でも力が分散し40点しか達成できない会社より強い。他業態と組んで新規事業のディスカッションも始めた。新規事業が当たる確率は低いだろうが、挑戦が刺激になり、新しい発想が生まれることに期待したい」

■リンナイの歩み■
大正9年に実用新案を登録した「林内式石油ガスコンロ」

1920年に内藤秀次郎と林謙吉が「林内商会」を設立。3代目社長の内藤明人が戦後縮小した同社を本格的なガス機器メーカーに育て上げた。「品質こそ我らが命」を基本とし、高い技術力と業界屈指の収益力を誇る。海外17国・地域に拠点を展開し、2020年3月期の売上高は約3400億円、うち海外売上高比率が約5割を占める。「熱と暮らし」「健康と暮らし」を掲げ、総合熱エネルギー機器メーカーを標榜(ひょうぼう)する。

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リンナイ

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