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コロナで大打撃の航空大手、傘下「LCC」テコ入れで回復なるか

コロナで大打撃の航空大手、傘下「LCC」テコ入れで回復なるか

コロナ禍が長引き厳しい1年に(イメージ)

コロナ禍の影響が長引き、航空業界は依然として厳しい状況が続いた一年だった。「ウェブ会議の浸透などでビジネス需要が元に戻らない一方、観光や訪問需要は今後も着実に成長していくと考えられる」。日本航空(JAL)の赤坂祐二社長は6月の株主総会で今後の見通しをこう述べた。

同社は当面、従来型旅客サービスを提供するフルサービスキャリア(FSC)は早期の回復が難しいと判断。航空機の数を減らしつつ、フラッグシップ機を最新鋭のエアバスA350に更新することで、競争力を高める。

格安航空会社(LCC)では、傘下のジップエア・トーキョー(千葉県成田市)が成田―米ロサンゼルス線を12月25日に就航する。LCCがアジアと北米を結ぶのは初めてだ。

ジップエア・トーキョーの西田真吾社長は、「ロサンゼルスは日本人が海外で住む最大の都市」と、ロサンゼルスを選んだ理由を説明する。LCCという新たな選択肢を示すことで、赴任や一時帰国などでの利用を取り込みたい考えだ。

ANAホールディングス(HD)は、傘下の全日本空輸(ANA)とLCCのピーチ・アビエーション(大阪府田尻町)がピーチの運航便の一部路線でANAとのコードシェア(共同運航)を8月から始めた。ANA便名で搭乗した場合、「マイル」の積算を可能にするなど融合を図る。

また、ピーチは行き先を選べないカプセル型自販機「旅くじ」の企画など、ユニークな取り組みを通じて需要の創出を目指した。

ANAHDはANA、ピーチに続く「第3ブランド」を立ち上げ、東南アジアや豪州路線を中心に22年度をめどに就航する方針を掲げている。子会社のエアージャパン(成田市)を母体とすることで、速やかな事業の立ち上げを目指す。

コロナ禍の見通しは依然として不透明な状況が続く。今後はレジャー需要の取り込みでFSCとLCCをどう両立させるかがポイントになりそうだ。

日刊工業新聞2021年12月8日

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