セコムの選択と集中、M&Aで海外の成長市場を取り込めるか

  • 0
  • 0

警備業シェア首位のセコムが国内では不動産事業から撤退するなど選択と集中を進める一方、海外では積極的な市場開拓に動いている。売上高1兆円を超えたものの、人口減少で国内市場は伸び悩みが予想されているため、さらなる飛躍に向けM&A(合併・買収)で海外の成長市場を取り込み事業拡大を目指す。

国内では2020年12月、マンション開発・分譲を行う全額出資子会社のセコムホームライフを不動産会社の穴吹興産に売却した。かつてはホームセキュリティーを武器に不動産業を展開していたが、同業界は「規模のメリットが物を言う世界。餅は餅屋に任せるべきだ」(尾関一郎社長)との判断から売却に至った。

また21年5月には、54%の株式を持つ連結子会社、セコム上信越を株式公開買い付け(TOB)で完全子会社化・上場廃止を決定した。セコム上信越はセコム本体と同じセキュリティー事業が主力のため「完全子会社化により意思決定のスピードを早める」(尾関社長)狙いだ。昨今の親子上場をめぐる世間の厳しい視線や東京証券取引所の市場区分見直しもTOBを後押ししたようだ。

一方、海外では積極的にM&Aを推進している。20年9月にマレーシア、同10月にシンガポール、21年2月に香港の警備会社を買収した。セコムは売上高1兆円に対し海外事業比率は5%に留まっており「早々に10%にしたい」(同)と意気込む。

70―90年代に台湾、韓国、中国、タイに進出し、同社の海外展開は歴史がある。韓国では「セコムを韓国企業と思っている国民が多い」と言われるほど、現地に浸透した。

だが、韓国と台湾以外の国・地域では地元企業・個人相手ではなく、現地に進出した日系企業を主な顧客としているため現地に十分に根付いているとは言えないのが現状だ。セコムが得意とするセンサーや監視カメラなど機械設備を使った高度な警備需要がまだ高まっていない国もあるが「現地に合わせたサービスの提供」(同)でそれぞれの市場を開拓していく。

日刊工業新聞2021年10月21日

キーワード
セコム

関連する記事はこちら

特集

このサイトでは、アクセス状況の把握や広告配信などのためにクッキー(Cookie)を使用しています。オプトアウトを含むクッキーの設定や使用の詳細についてはプライバシーポリシーページをご覧ください。

閉じる