「ラージトウ炭素繊維」生産増強に140億円。東レが狙う需要
東レは、炭素繊維製造子会社の米ゾルテックのメキシコ工場(ハリスコ州)でラージトウ炭素繊維(LT)の生産設備を増強する。年間生産能力を現在の1万3000トンから2万トンに引き上げ、2023年に生産開始予定。投資額は約140億円。軽量で高剛性の炭素繊維の使用比率が伸びている風力発電翼向けの需要に応える。
LTはフィラメント(単繊維の束)数が4万本以上の比較的安価な炭素繊維。風力発電翼や自動車など産業用途に使われており、東レの世界シェアは約5割、風力発電翼用途では約6割を占める。
東レが14年に買収したゾルテックはメキシコとハンガリーに生産拠点を持つ。今回の増強により、全体の年間生産能力は約3万5000トンとなる。
20年度から3カ年の中期経営課題では、炭素繊維複合材料事業で1000億円の設備投資を計画している
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日刊工業新聞2021年11月19日