民間の月探査活動を後押し、福井大・中部大・東大が開発する技術の中身
福井大学は中部大学、東京大学と共同で、超小型人工衛星(キューブサット)を活用し、民間の月探査活動を支援するサービス技術を開発する。完成目標は2023年度。月面上で活動する探査車を測位し、運転に必要な情報などを低速通信で月周辺の有人拠点や地球に送る。
3大学は文部科学省の宇宙探査基盤技術高度化プログラムの採択を得て、21―23年度の3年間で最大1億5000万円の開発予算を基に共同プロジェクトを進める。
福井大は10センチメートル角のキューブサットを6機連結した機体設計・製作と研究全体を統括する。衛星が月周回軌道を移動して収集する時間差の探査車測位データを精緻な時計システム、ランダー(月着陸船)と探査車との相対距離情報との掛け合わせで測位する。
中部大は測位システムと測位送受信機を開発する。東大は中部大と測位システムの検討を担うとともに、探査車と超小型衛星の通信を担当する。超小型衛星の知見を持つセーレンなども機体製作で参画する。
3大学はサービスの基盤となる技術の確立と、それを実証する地上モデルまでを担当する。月周辺に展開する具体的な探査計画は、民間やベンチャーと進めることを想定する。
日刊工業新聞2021年11月18日