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ダイセルが台湾・清華大と共同研究する「マイクロ流体デバイスプラント」の全容

ダイセルが台湾・清華大と共同研究する「マイクロ流体デバイスプラント」の全容

マイクロ流体デバイスプラントの実験装置(イメージ)

ダイセルは国立清華大学(NTHU、台湾新竹市)と、基板上の数百マイクロメートルの流路内で混合や反応、精製などの化学操作をする「マイクロ流体デバイスプラント」の共同研究・開発を始めた。北森武彦NTHU玉山栄誉教授兼東京大学名誉教授を研究主幹として、社会実装に必要な生産技術や量産化技術の確立を進める。ダイセルは2023年にも、自社工場に同プラントを実装することを目指す。

30ミリ×70ミリメートル程度の基板に流路を設けて化学操作をする「マイクロ流体デバイス」を1万枚以上並べたプラントは、研究領域で確立された製法のまま、年間数十万トン以上の生産が可能となる。

ダイセルは開発中のマイクロ流体デバイスプラント実用化の初号機として23年に新井工場(新潟県妙高市)でレジスト用ポリマーの生産開始を目指す。また、大竹工場(広島県大竹市)でもプラント設置の検討を始めており、エポキシ化合物の生産を想定する。同プラントは柔軟に生産量を調節でき、化学品の研究成果を工業規模にスケールアップする従来プロセスが不要となる可能性がある。

日刊工業新聞2021年11月16日

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