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トヨタやダイセルも参加、阪大が「樹脂」「車載デバイス」の研究会を新設へ

大阪大学産業科学研究所フレキシブル3D実装協働研究所が運営する産学連携体「フレキシブル3次元実装コンソーシアム」は、3次元実装技術による次世代デバイスの実用化に向け、4月に新たな研究会を二つ立ち上げる。テーマは「樹脂の接着界面」と「車載デバイス」。従来のワーキンググループによる情報交換から前進し、より具体的な研究開発を進める。

樹脂の研究会はダイセルなどの材料メーカーやデバイスメーカーなど約10社が参加。電子部品で不可欠な銅と樹脂の接着を中心に研究開発を進める。フッ素樹脂と銅の接着の仕組み解明などを進め、接着の強度向上により日本のモノづくりの信頼性向上を図る。

車載デバイスの研究会はトヨタ自動車や表面処理薬メーカーの奥野製薬工業(大阪市中央区)など約10社が参加する。電子情報技術産業協会(JEITA)によるチームや宇宙航空研究開発機構(JAXA)も加わる。自動運転の実現を見据え、プリント基板の微細な穴「マイクロビア」の10年以上の耐久性実現や基板のメッキ技術などを検討していく。

協働研究所は阪大産業科学研究所とダイセル、千住金属工業(東京都足立区)、ヤマト科学(東京都中央区)で20年1月に設立。企業や大学と広く情報交換や共同研究を行うため同年6月にコンソーシアムを発足した。パワーデバイスや高速大容量通信、人工知能(AI)などでの応用に向け、先端デバイス関連のオープンイノベーションを推進する。

新たに立ち上げる研究会ではより具体的な研究開発を進める(阪大の産業科学研究所)
日刊工業新聞2021年2月17日

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