組織再編した「ソニーグループ」、複合企業としての強さを発揮するカギ

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創業者の井深大氏(右)と盛田昭夫氏の映像を背にするソニーグループの吉田憲一郎CEO

ソニーグループは4月に「ソニー」から63年ぶりに商号を変更した。エレクトロニクス事業の本社間接機能を分離・移行し、持ち株会社として全体を統括する。これに先立ち金融事業を手がけるソニーフィナンシャルホールディングス(10月1日付で「ソニーフィナンシャルグループ」に社名変更)をTOB(株式公開買い付け)で完全子会社化しており、主力の6事業がソニーグループの傘下に同列に並ぶ。吉田憲一郎会長兼社長最高経営責任者(CEO)は「事業の進化を促し多様なポートフォリオの強みを生かすため」と説明、新たな価値を創造する企業へと体制を強化した。

新体制では「ソニー」の商号を継承するエレクトロニクス事業や、家庭用テレビゲーム機「プレイステーション(PS)」シリーズの開発・販売を行うゲーム事業などがグループ傘下に入る。また2020年には全利益を本体に取り込むため金融事業会社を完全子会社化し、グループ全体の安定した収益基盤として位置付ける。

吉田社長は「各事業のトップは全て17年以降に就任している。自立した各事業がフラットにつながる連携強化体制が整った」と攻めの姿勢を鮮明にする。

今回の再編の背景には旧ソニーが単なる電機メーカーではなくなり、音楽や映画、ゲーム・アンド・ネットワークサービス(G&NS)などエンターテインメントに関連する事業の存在感が増してきたことがある。5月の企業方針説明会では顧客とつながる「DTCビジネス」への投資に重点を置くと発表。ゲームを中核とするエンターテインメイントサービスで全世界で10億人とつながる目標を示した。ソニーグループとして技術とエンターテインメントの融合、ゲームや映画、音楽の世界観の共有といったビジネスに資金を配分し、M&A(合併・買収)戦略を立てていくと見られる。

さらに、モビリティーを次のメガトレンドに位置付け、電気自動車(EV)「VISION―S」やセンシング技術の開発、クラウドでつながるプラットフォームの構築などに乗り出す。新たな体制のもと、次の成長分野への挑戦やコングロマリット(複合企業)としての強さを最大限に発揮できるかは事業間連携がカギとなる。

日刊工業新聞2021年9月23日記事に一部追記

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