熱にも水にも強い!新インクジェットインクが解決する課題

東洋インキが開発

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高温での殺菌処理に対応させる(写真はイメージ)

東洋インキSCホールディングス(HD)は子会社を通じ、耐熱性と耐水性を持たせたインクジェットインクを開発する。従来品と比べて両機能を高めた表刷り用インクジェットインクを2023年にも市場投入する計画。これらで25年にインクジェットインクの売上高で80億円を目指す。同製品の直近売上高は非公表。

レトルト食品などの包装フィルムは、裏面にデザインを印刷後、内容物を投入する前に100度C程度の高温で殺菌する。現在、耐熱性に優れたグラビアインクやフレキソインクが使われているが、デザインごとにシリンダーが必要で、そのコストが課題となっている。

インクジェットインクはデータで印刷できるため、シリンダーが不要でテストマーケティングなど少量生産する際の製造コストを抑えられる。一方、熱で剥離してしまう弱点を持つ。そこで、東洋インキSCHD傘下のトーヨーカラー(東京都中央区)は、これまで培ってきたインクと周辺材料の製造技術を生かし、高い画質と耐熱性を両立したインクジェットインクを開発する。

顧客のコスト削減のため、耐熱性だけでなく、パンなどの食品やオムツなどの包装フィルム向けに、耐水性を付与した表刷り用インクジェットインクの開発も進める。「画質を高める成分が耐水性を低くする特性を持っている」(トーヨーカラー)として、耐水性を持った新たな成分の開発などを視野に入れる。

東洋インキSCHDは、軟包装材に含まれる印刷インク成分の除去技術を開発し、透明に近い色の再生プラスチックを取り出せるようにするなど、環境負荷低減につながる技術開発に力を入れている。グラビア印刷などと異なり、刷り始めなどもフィルムにムダが発生せず、シリンダーの廃棄も必要ないインクジェットの普及を推進し、国連の持続可能な開発目標(SDGs)への貢献度を高めていく。

日刊工業新聞2021年11月2日

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