自動運転レーダーを高精度化!東洋インキが筐体用ミリ波吸収材を量産化へ

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ミリ波電波吸収コンパウンドの板状成形品

東洋インキSCホールディングス(HD)はグループ企業を通じ、車載レーダーの筐体(きょうたい)向けに射出成形可能なミリ波電波吸収コンパウンドを開発した。カーボン系材料を樹脂に分散させた材料で合成ゴムや金属を使う既存材料に比べて加工コストの低減や軽量化に寄与し、レーダーの精度も高まる見込み。複数のレーダー関連部品メーカーにサンプル提供しており、2023年の量産化を目指す。

自動運転車などに搭載されるミリ波レーダーは、発信したミリ波が前方の車や障害物に反射され戻ってきた信号を読み取って検知する。同コンパウンドを筐体に使うことで、ミリ波が乱反射することによる誤作動を防ぎ、レーダーの精度が高まる見通しだ。

カーボン粒子がミリ波電波を熱エネルギーに変換し、吸収する仕組み。既存事業で培った樹脂中に顔料などを均一に分散させる技術を活用して開発した。

現在、同用途にはゴムに金属を混ぜた電波吸収シートなどが使われているが、加工に手間がかかっていた。開発品は射出成形で筐体に加工でき、加工時間短縮やコスト削減につながる。また、金属を含まないため、部品を軽量化できる。

東洋インキSCHD傘下で着色剤の製造・販売を手がける子会社トーヨーカラー(東京都中央区)が、自動車用ゴム部品などを製造・販売するタケチ(大阪府吹田市)、電波吸収体の開発やコンサルティングを手がける新日本電波吸収体(東京都台東区)と新技術を共同開発した。顧客の要望に応じてコンパウンドの電波特性などを調整し、樹脂成形品として提供する。将来は薄型化や高性能化などの改良も行う。

ミリ波は周波数が30ギガ―300ギガヘルツ(ギガは10億)で、波長が1ミリから10ミリメートルまでの電波。自動運転の普及に伴い、キーテクノロジーとして注目されている。これに合わせて増加が見込まれる筐体材料需要の増加に対応していく。

日刊工業新聞2021年5月10日

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