富士通がサブスク展開するモノづくりDXソフト・サービス群の全容

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富士通は、製造業のデジタル変革(DX)基盤を担うソフト・サービス群「コルミナ」のサブスクリプション(サブスク=定額制)化を全面展開する。一括ライセンスによる既存のパッケージ販売に加え、繁忙期や一過性の需要などに柔軟に対応できるサブスク型の月次サービスを拡大し、パッケージ導入が難しかった中小企業のニーズを引き込む。大手企業以外に中小企業向けで今後3年間に1万社への販売を目指す。

コルミナを中心とする製造業向けの関連ビジネスで2025年度までに国内外で売上高500億円を目標に据える。このうち中小企業向けは、今回のサブスク展開を中心に売上高100億円を目指す。

コルミナのサブスク版は、富士通、ファナック、NTTコミュニケーションズ(NTTコム)の3社が共同出資で立ち上げたDUCNET(東京都大田区)が提供するマーケットプレイス(データ流通などの共有の場)経由で拡販する。

まずは6月に工場最適化ダッシュボードや品質分析テンプレート(ひな型)などでサブスク化を開始。今回は第2弾として、製品ライフサイクル管理(PLM)や3次元工程部品表(3D―BOP)などの主力サービス群を9―10月から順次サブスク化し、全面展開に乗り出した。

まずは国内向けで地歩を固め、21年度以降はDUCNETのグローバル展開とともにドイツや北米へと市場を広げる。

PLMでは、富士通製の3次元CADや構造解析システムなどを新たにサブスク化した。併せて独シーメンスとの協業体制を強化。シーメンスの設計・製造向けサービスを国内向けに再販するほか、設計と製造をつなぐ富士通独自の3D―BOPもサブスク化した。3次元データ上で設計と製造現場間の情報を連携し、製品を構成する部品や工程、工具などの情報を3次元データに紐づけることで、リードタイムの短縮やコスト削減を実現する。

加えて、富士通研究所が開発したデータ圧縮技術「レベック」を用いた高速リモートデスクトップサービスもサブスク化し、コロナ禍で工場へ出向くことができない中で設計・開発部門のリモートワーク需要に応える。

レベックを使えば「3次元CADなどの高画質な設計データをリモートデスクトップ上から編集でき、設計者はどこからでも大容量データを自在に遠隔で扱える」(富士通)。

一般的に、サブスクサービスは一括ライセンスに比べ、導入時のハードルが低く、中小企業でも手軽に利用できるのが利点。富士通によると「利用期間が3年以上ならば一括ライセンス購入の方が安い」という。大手企業の場合、「一括ライセンスと組み合わせ、繁忙期などに不足した分をサブスクで補う」ことが多い。

サブスクの消費税抜きの価格は、設計製造支援の「iCAD SX」が月額7万5000円から。デジタル生産準備の「VPS」が同14万7000円から。高速リモートデスクトップが同8000円からなど。

日刊工業新聞2021年10月26日

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富士通 DX モノづくり

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