人気高まる“身に付けるエアコン”、暑さ対策の新定番になるか

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栗田工業の作業現場では担当者らが富士通ゼネラルの「コモドギアi2」を首に着用

富士通ゼネラルが開発した“身に付けるエアコン”「コモドギアi2」の滑り出しが好調だ。法人向けのレンタルサービスを6月に始めてからの引き合いが、2020年夏に試験販売した時と比べ、台数で2倍以上に増えた。顧客の評価を踏まえ、軽量化などの改良を加えたことが背景にある。同社はユーザーの要望に応じてさらに改良を重ね、暑さ対策の定番として浸透させたい意向だ。(編集委員・宇田川智大)

コモドギアi2は、吸熱や発熱の働きをする半導体素子を内蔵した冷却・加熱板を頸(けい)動脈付近に装着して、深部体温の変動を抑える携帯型冷却・加熱装置。冷却部の放熱板とラジエーターの間を水が循環する水冷方式を、ウエアラブル型で初めて採用しており、空冷式の競合品と違って、外気温が高くても冷却効果が損なわれにくい。

20年6月からの試験販売が好評だったため、改良を加えた上でレンタルとして本格展開を始めた。主な改良点としては首の部分の重量を軽減したほか、首回りが小さいSサイズを追加。冷却・加熱板の寸法を広げるなどし、吸熱・発熱効果も高めた。これらも奏功し、工事現場や物流倉庫、密閉性が高くて熱がこもりやすい食品工場などからの引き合いが相次いでいる。

ただ実際に使ったユーザーの間には、さらなる改良を望む声もある。暑さ対策として7月から3カ月間の契約で35台導入した栗田工業からは、バッテリーの持ちが悪いなどの課題が指摘された。

埼玉県内のプラント建設現場で施工管理を担当するグループ生産本部製造部門工事二部工事一課の石原準也氏によると、設計上は2―3時間使えるはずのバッテリーが、条件によっては「1時間半程度しか持たない」という。

同じく愛媛県内でプラントの施工管理に当たる工事一部工事二課の福島博貴氏は、高所作業用の安全器具やヘルメットと併せて装着すると「かなり負荷がかかる」と明かす。ほかにも一層の軽量化や、屋内外の寒暖差に応じて出力を細かく制御できる機能を求める声がある。

富士通ゼネラルもこれらの意見を「参考にしたい」(Being Innovative Groupウエアラブル事業部の沼上理マーケットクリエイター)と前向きだ。例えば水を循環させる管が落下防止器具とぶつかる問題には、ラジエーターの装着箇所を変更するなどして対処する方針。バッテリーの性能向上も図る。コストダウンも含めて利便性を高め、普及に弾みを付ける考えだ。

日刊工業新聞2021年9月3日

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