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山岳トンネル工事の全工種を自動化へ、鹿島が実坑道で試験開始

山岳トンネル工事の全工種を自動化へ、鹿島が実坑道で試験開始

実規模施工試験を開始した神岡試験坑道の坑口

鹿島は、次世代建設生産システム「クワッドアクセル」の適用拡大に向けて、神岡試験坑道(岐阜県飛騨市)で山岳トンネル工事の全工種の自動化を目指す自動化施工システム「同・フォー・トンネル」の実規模施工試験を開始した。実施工による2年間の実証試験で、同社がこれまで開発した自動化技術を実工事現場と同等の環境で実証し、有効性、実用性を確認する。

神岡鉱業(同)が所有する試験坑道で、自動穿孔(せんこう)から発破掘削までの作業工程を実施し、効率的な穿孔・発破技術を実証する業界初の試みとなる。各作業工程の自動化を進め、順次実工事に導入する予定。また実証試験によりデータに基づく最適化施工を実現できる人材の育成など自動化施工体制の構築も進める。

神岡試験坑道の工事はトンネル掘削が321・3メートル、掘削断面積がアプローチ部43・9平方メートル、自動化施工試験部が73・5平方メートル。

同社は2018年11月、静岡県富士市に開設した模擬トンネルを試験フィールドに基本動作を確認している。

日刊工業新聞2021年10月8日

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