世界が注目する次世代太陽電池「ペロブスカイト」、生みの親が抱く期待

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開発したペロブスカイト膜を成膜する小型ロボット(桐蔭横浜大学、ペクセル・テクノロジーズ提供)

カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)の達成に向けて世界中が動く中で、日本は再生可能エネルギーの普及拡大に注力する。その中でも次世代太陽電池「ペロブスカイト太陽電池」は、曇りの日や蛍光灯の光でも十分発電できることから世界中で注目されている。桐蔭横浜大学では、同太陽電池の社会実装に向けた研究開発が進んでいる。

現在普及しているシリコン製の太陽電池は、家庭用発電設備や人工衛星などさまざまな分野で利用されている。だがエネルギー変換効率が20%で、太陽光が当たっている時しか発電できないという課題がある。一方でペロブスカイト太陽電池は薄くて軽く曲面に設置できる。エネルギー変換効率は実験レベルで25%以上を達成しているが、量産化が難しく社会実装されていない。

同太陽電池の生みの親で、桐蔭横浜大学の宮坂力特任教授は「同太陽電池の開発は、日本よりも中国の方が関心を示し研究を進めている。日本でも多くの人に研究を進めてほしい」と話す。

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小型気球を使ったペロブスカイト太陽電池の飛翔実験(JAXA提供)

桐蔭横浜大学発のベンチャー、ペクセル・テクノロジーズ(横浜市青葉区)では、同太陽電池の作製のカギとなるペロブスカイト膜を自動で成膜する小型ロボットを開発した。ペロブスカイト太陽電池の研究が他大学や研究機関で広がりそうだ。従来の太陽電池より汎用性があるので使い道を選べば、電気自動車や携帯用の発電素子など多くの分野での活用が期待される。

日刊工業新聞2021年10月7日

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