「村上春樹ライブラリー」開館。隈研吾氏がアーチ型本棚を設計した意図

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屋内のデザインも斬新な「村上春樹ライブラリー」

早稲田大学は1日、作家の村上春樹氏の名前を冠した国際文学館「村上春樹ライブラリー(通称)」を開館した。村上氏が寄贈・寄託した書籍、翻訳本、執筆関係資料や記事などを置き、村上氏の文学作品や国際・翻訳文学の研究拠点となる。

早大で村上氏と同学年のファーストリテイリングの柳井正会長兼社長が改築費を提供し、同大特命教授で建築家の隈研吾氏が同ライブラリーのある早稲田キャンパス(東京都新宿区)4号館の改築設計を手がけた。村上文学愛好者を引きつける村上氏の収集レコードやカフェなども魅力になりそうだ。

会見で村上氏は「自由で独特な大学の新しい文化の発信基地になってほしい」とあいさつ。田中愛治総長は「若い人の中から、村上さんのように愛される人が育つように」と教育面での期待を述べた。

日刊工業新聞2021年9月30日

COMMENT

山本佳世子
編集局科学技術部
論説委員兼編集委員

村上春樹作品の愛好者は多いのに、氏はメディアの露出が少なく、ノーベル賞も近いこの時期の記者会見とあって、早大側の設定も大がかりになった。さらに寄付の柳井氏、設計の隈氏と話題満載だ。デザインで私も引きつけられたのは、入館すぐの大きな吹き抜け(3フロアを貫くアーチ型本棚)だ。隈氏は「春樹さんの世界は、日常の世界からポンと扉を開いて違う世界へ抜ける”トンネル構造”だ」と、その設計の意図を説明。村上氏は「トンネル、と急にいわれたが…。現実と異次元の世界を行ったり来たりし、そのうちどちらか分からなくなるというのは、僕の小説の特徴の一つ。洞窟、井戸、トンネルなどにひかれている」と返している。

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村上春樹 早稲田大学

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