再生医療で活用へ。早大・理研が開発した「細胞用電動ナノ注射器」がスゴい!

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早稲田大学大学院の三宅丈雄教授らは理化学研究所と共同で、安全で効率良く細胞内に病気を治療するための機能性物質を導入できる「細胞用電動ナノ注射器」を開発した。導電性高分子と金属の複合ナノチューブシートで、電気をかけることにより細胞内への物質輸送を促進する。たんぱく質を細胞生存率98・5%で効率的に細胞内に導入できる。再生医療や細胞治療での活用が期待される。

 

細胞治療においては目的の物質を細胞内に導入する手法として、従来のウイルスを輸送手段とするウイルスベクター法などに代わり、ナノ注射器の開発が進められている。だが、既存のナノ注射器は単針で主に1細胞ごとに導入する必要があった。

 

研究グループは、これまで物質導入を効率化するためにナノチューブを配列したシートを開発。今回、金属製ナノチューブに導電性高分子を被覆することで、イオンの流れを電気で制御することに成功した。シートに電気をかけると、液体の流れを誘発する「電気浸透流」が発生し、細胞膜を通過する物質の輸送速度を3倍以上促進できる。

 

新手法では細胞に物理的にナノチューブを挿すため、導入する物質の大きさや電荷を問わない。そのため、従来手法では難しかった正電荷や高分子、小器官などを細胞に届けられるようになる。

 

実際にカルセイン低分子をがん細胞の「HeLa細胞」に導入した。その結果、導入効率99%、細胞生存率96・8%を実現した。

日刊工業新聞2021年9月15日

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