EVもワイヤレス充電の時代へ、2025年にも実用化するシステムの中身

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新電元工業が開発中のEV非接触充電システム(イメージ)

新電元工業は、ワイヤレスで電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)を充電できる非接触充電システム(WCS)を2025年にも実用化する。完成車メーカーと協業して、実証実験を進める。自動車と充電機器をケーブルにより接続する手間がかからず、駐車場などに車を止めるだけで充電できる点を訴求する。駐車時だけでなく、走行しながら充電できるシステムの開発も検討する。

新電元工業が開発するWCSは、駐車場などに設置した送電ユニットから、地面に設置した送電コイルを経由し、自動車の受電コイルに電力を伝送する。EV、PHEV用の充電器や、電装品事業で培った知見を活用して開発を進める。市場投入を目指し、非接触充電に関する規格標準化の動向を見極め、コスト競争力強化も図る。

17年には米ワイトリシティ(マサチューセッツ州)と、車両向けの非接触電力伝送技術のライセンス契約を締結した。ワイトリシティが採用している磁界共鳴方式は、送電側コイルに電流を流すことで発生した磁場の振動が受電側コイルに伝わり共鳴し、電流が流れる。スマートフォンの充電用などで実用化されている電磁誘導方式と比べ、長い空間距離の伝送が可能で、車両の駐車位置のずれで送電がうまくいかないといった事態が起こりにくいという。

富士経済(東京都中央区)は20年に発表した調査で、ワイヤレス給電用送電装置の世界市場が35年に、19年比753・8倍の3769億円まで成長する予想を示した。

日刊工業新聞2021年9月8日

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