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IoT化した街路灯が河川氾濫を監視。NECが杉並区に納入

NECは30日、リアルタイムな河川監視や道路冠水の把握のため、神田川沿いやJR阿佐ケ谷駅(東京都杉並区)の駅前広場などを対象に「IoT街路灯システム=写真」を杉並区に納入したと発表した。2019年に実施した実証実験を踏まえ、月内に運用に入る。

神田川と善福寺川沿いには、IoT(モノのインターネット)化した街路灯5基にカメラを設置。河川水位の状況をリアルタイムに動画投稿サイト「ユーチューブ」で映像を確認できる。区のホームページへのアクセスが集中してつながりにくい際にも、区民はスマートフォンなどからユーチューブで直接閲覧できる。

阿佐ケ谷駅の駅前広場など、過去に大雨の影響で浸水被害が発生した場所には、IoT化した街路灯5基に冠水センサーを設置。センサーの情報は区職員のパソコンやスマートフォンにアラートメールで届き、リアルタイムで情報収集し、道路冠水を監視する。

通信回線には地域BWA(広帯域移動無線アクセス)や、低消費電力の長距離無線通信技術「シグフォックス」を活用。カメラ映像の伝送やセンサー情報の収集など、それぞれの用途に応じたネットワークの採用により、低コストでのシステム構築や運用を実現した。

日刊工業新聞2021年8月31日

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