ドローンで防災事業に参入するエア・ウォーターの勝算
エア・ウォーターは自治体や消防向けの飛行ロボット(ドローン)を使った防災・災害対策システム事業に参入する。9月1日に子会社のセブントゥーファイブ(東京都新宿区)が災害対策用ドローンと人工知能(AI)を用いた「被災状況調査分析システム」を合わせて市場投入する。災害時の空撮画像から被災状況を把握し、早期の対策に生かす。ユーザーの実証試験や訓練、運用ルール策定も支援する。3年間で計20件の販売を目指す。
災害対策用ドローン(写真)を国内メーカーと共同開発し、OEM(相手先ブランド)供給を受ける。AI画像解析技術を使う「被災状況調査分析システム」は人やブルーシートなどを学習させ、実際の空撮画像から検出して地図上に表示できる。ドローンの飛行軌跡の記録や機体管理も可能。現場で撮影する映像を遠隔地とリアルタイムに共有できる。
災害発生を想定したトレーニングや運用ルール策定のほかシステムで検出する対象物を事前学習させる実証試験も支援する。消費税抜き価格はドローン1機300万円、分析システムが年間36万円から、実証試験の実施支援が1日40万円から、運用コンサルティングが1回50万円から。
年内にドローン複数機を管理する機能を追加し、22年3月までに自動飛行機能を実装する予定。販売面では消防向け設備・機器を手がけるグループ会社のエア・ウォーター防災(神戸市西区)の販路も生かす。
日刊工業新聞2021年8月27日