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「ハイスペック」「低コスト」の中古住宅再生。実現する社長のノウハウ

「ハイスペック」「低コスト」の中古住宅再生。実現する社長のノウハウ

中古住宅の再生だけでなくガレージ付きの住宅なども得意とする

注文住宅事業や建売住宅事業を展開するベストブライト(福岡市南区、松枝旭洋社長)。職人や現場監督として住宅建設にかかわってきた松枝社長の経験を生かして2015年に設立した。リフォームから出発し、その豊富な経験を基にした中古住宅の再生を得意としながら事業を拡大している。既にある建築物を生かして新たな価値を加え、長く使い続けることにつなげる。

リフォームから始めたのは比較的手がけやすいという理由から。ただ現場は千差万別でシロアリの被害を受けた住宅もあった。現在でも主力事業の一つで実績は福岡県内で年間200件を超える。そのため木造住宅がどの部分から劣化しやすいかの知見が豊富。その上で自社では劣化しにくい木材を採用するなど品質にこだわる。

15年に設立したベストブライトの本社

施工実績は地道に積んできた。住宅に関連することなら網戸の張り替えや庭の草刈り、ハウスクリーニングなども手がけて顧客との関係を築く。松枝社長は「何でもやってきた」と話す。口コミで仕事を増やし、業界での知名度も向上。不動産業者を通じて仕事の依頼が来るようになった。地域の不動産業者は「ウィン―ウィンの関係をつくりたい」というパートナーだ。

中古住宅の再生事業の特徴は「ハイスペック」(松枝社長)。使い勝手や見た目を向上することはもちろん、耐震機能もアップさせる。環境負荷を抑えることにも力を入れており、エネルギー効率を意識したリフォームでは発光ダイオード(LED)照明やオール電化の採用に対応する。最近ではテレワークのスペースを作りたいといった要望が増えてきたという。

また低コストも特徴。その実現に貢献しているのが工程管理による工期短縮。松枝社長は「スピードが違う」と話す。廃棄物を減らす工夫も処理費用の削減につなげている。

今後の課題の一つは松枝社長が身に付けているノウハウのマニュアル化。また九州各地に置く営業拠点の機能強化も目指す。

日刊工業新聞2021年8月19日

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