半導体製造装置大手ディスコが140億円で工場新棟。生産能力高める
ディスコが桑畑工場(広島県呉市)に建設していた新棟が完成した。新棟の設置により、同工場の延べ床面積は従来比約3割増となった。月内から順次稼働する。第5世代通信(5G)の普及や自動運転技術の進展などを背景に半導体需要が拡大している。半導体製造装置や消耗品の生産能力を高める。
新棟は地上8階建て。投資額は約140億円。2018年7月の西日本豪雨に伴う断水への対応を踏まえ、生産用の工業用水約1000トンを備蓄できる貯水槽を地下に設置した。断水時でも砥石(といし)などの精密加工ツールの生産を10日程度継続できる。
新棟各所に上水や雑用水といった生活用水を合計約560トン貯水。有事の際でも従業員や、その家族などが10日程度生活できる水量を確保した。既存棟と同様に免震構造を採用している。
ディスコによると、桑畑工場、呉工場(同)では地下水の掘削工事を進めている。並行して、純水循環システムの技術を応用した水質調整設備の内製を進めており、事業継続と生産人員の生活維持に十分な水資源確保に務めている。
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日刊工業新聞2021年8月19日