半導体装置大手5社が研究開発を活発化!注力ポイントの違いは?

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半導体製造装置メーカーが、研究開発を加速している。主要5社(ニコンは精機事業)の2022年3月期の研究開発費の合計は前期比13・2%増の2765億円を見込む。東京エレクトロンやディスコは、過去最高を更新する見通しだ。装置メーカーにとって、高い利益率を確保できる最先端の装置開発は欠かせない。各社は微細化技術やパッケージングなど、新たな技術課題に取り組む。

7年連続で研究開発費を増額する東京エレクトロンは、22年3月期の研究開発費が前期比17・1%増の1600億円を見込む。テーマの一つに掲げるのが微細な半導体回路を描く「パターニング技術」だ。微細化の実現に向けては露光装置が最重要視されるが、同社は成膜、塗布・現像、エッチング、洗浄の各装置を駆使。幅広い装置群を強みに総合力で競合との差別化を図る。

その上で同社が最も注力しているとみられる分野が、ウエハー表面に焼き付けた回路に沿って不要な部分を取り除く「エッチング」工程。同工程に関わる開発は、山梨県韮崎市に建設予定の開発棟、宮城県大和町で建設中の顧客との共創拠点の両方で行われる予定だ。

ニコンの精機事業の研究開発費は、半導体・フラットパネルディスプレー(FPD)露光装置分野全体では大きな変化がないものの「次世代向けでは、数十億円のレベルで増額になっている」(馬立稔和社長)。

半導体露光装置の次世代向けでは、例えばマスクなしでウエハーに露光できる装置を開発中。基礎開発の段階で製品化には時間がかかるが、マスクサイズにとらわれない大きなサイズのチップを製造できるなどのメリットが見込めるという。

ディスコは、22年3月期の研究開発費が同5・7%増になると予想した。期待を寄せるのはパッケージングの高付加価値化だ。関家一馬社長は「パッケージングの高付加価値化は今、猛烈に起きている。前工程の集積度アップが従前のペースで進んでいない中、後工程はまだ付加価値を生めるということに半導体メーカーが気づき始めた。顧客から相談をもらっている」と話す。

アドバンテストも微細化や先端パッケージの普及を商機と捉える。研究開発費のうち「ほとんどが第5世代通信(5G)や人工知能(AI)など向け半導体用の試験装置の開発に充てられるだろう」(広報部)という。


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日刊工業新聞2021年6月7日

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