「副業容認」企業が過半に。それでも禁止したい企業の理由
パーソル総合研究所(東京都港区、渋谷和久社長)がまとめた副業に関する調査によると、自社の正社員の副業を容認している企業の割合は55%で、2018年に実施した前回調査に比べて3・8ポイント上昇した。内訳をみると、全面容認が前回調査比9・3ポイント上昇の23・7%を占め、全面禁止が同3・7ポイント減の45・1%となり、副業の容認が進んでいる実態が鮮明になった。
容認する理由は「従業員の収入補填」が34・3%でトップ。以下は「禁止するべきものではない」(26・9%)、「個人の自由」(26・2%)と続き、副業が一般的なものと認識されつつある状況がうかがえた。一方、副業を禁止する理由のトップは「自社の業務に専念してもらいたいから」(49・7%)だった。
副業者を現在受け入れている企業の割合は23・9%。受け入れる意向がある企業の割合を加えると47・8%になり、半数近くが受け入れに前向きな姿勢を示している。企業規模別では、従業員100人未満の中小企業と1万人以上の大手企業で副業者を受け入れようとする傾向が強い。
受け入れる理由については「多様な人材確保が可能だから」(26・4%)がトップ。これを規模別にみると、大手企業では人材確保よりも「新規事業の立ち上げ/推進」や「新たな知識・経営資源の獲得」「オープンイノベーションの促進」など、新規事業やイノベーション関連の理由が目立った。
同調査は70歳未満の男女で経営層・人事で人事管理について把握している1500人を対象に、3月4―8日にインターネット調査を実施した。
日刊工業新聞2021年8月13日