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IT人材派遣会社が事業強化へ。定年エンジニア「しっかり給与を払う」採用戦略

ウィンズ・ワークス・ジャパン(千葉県船橋市、山嵜孝一社長)は、定年退職するITエンジニアの採用に乗り出す。主力のITに特化した人材派遣事業を強化するため。当面は数人を、将来は10人以上を採用する。これらの取り組みで2025年3月期に社員を50人体制にし、売上高で3億5000万―4億円を目指す。山嵜社長は「長年培ってきた経験とスキルを生かしてもらう」としている。

山嵜社長は「現場でバリバリ働いてきたエンジニアをすぐにでも採用したい」としており、基本的には正社員として採用し、顧客の現場に派遣する雇用形態をとる。エンジニアには派遣契約の料金などを公開して契約料金の65―70%を還元する。副業にも対応していく。

またエンジニアが営業して受注した業務をウィンズ・ワークス・ジャパンが請け負い、そのエンジニアがプロジェクトマネージャーとなって納品すると、経費を差し引いた契約料金の50%を支払うなど、同社の特徴であるエンジニアを厚遇するさまざまな制度も適用する。

同社はITエンジニアの待遇を改善するため山嵜社長が20年に起業した。他の人材派遣会社よりもエンジニアを厚遇することで、優秀な人材を集め、システム開発などの受注につなげていくのがビジネスモデルだ。

企業が定年を延長したり、再雇用したりしているが、給与が大幅に下がるケースがあることから「しっかり給与を払う」(山嵜社長)ことにより、20―30代の若手に加え、豊富な経験があり、技術力もあるベテランエンジニアの確保を目指す。

日刊工業新聞2021年8月5日

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