過去最高益のトヨタ、見逃せないマイナス要因を抑えたポイント

4-6月決算は売上高・営業利益・当期利益で過去最高

  • 0
  • 1
トヨタ自動車の豊田章男社長

コロナ禍や半導体不足が続く中、トヨタ自動車が2021年4―6月期連結決算の売上高、営業利益、当期利益で過去最高を更新した。人気車種であるスポーツ多目的車(SUV)を軸に、生産を維持して米国をはじめとする主要市場で販売が大幅に回復。さらに販売、生産面のコスト削減や、20年に取り組んだ損益分岐点の引き下げが利益を押し上げた。一方、資材高騰リスクは期初より高まっており、先行きを厳しく見通す。

回復が目立つのが、売上高の36%を占める北米事業だ。SUV「RAV4」などを中心に、連結販売台数は前年同期比2・3倍の66万台に伸長。営業損益は前年同期の977億円の赤字から2171億円の黒字に転換した。米国では販売奨励金削減に加え、在庫水準が下がる中でも販売店間で車両を融通するなどして効率良く販売につなげた。米主要メーカーが生産を落としたことも追い風だった。

日本や欧州でも小型車「ヤリス」など販売が好調に推移。販売管理費や物流コストなどの削減により、車両1台当たりの単価も上昇した。

営業損益段階でマイナス要因を抑えた点も見逃せない。700億―800億円の資材高騰影響があったが、原価改善効果で50億円のマイナスに抑えた。コロナ禍前の19年4−6月期は750億円だった諸経費は250億円まで抑制した。20年度に実施した生産リードタイム短縮などによる体質強化の成果が出た。

通期見通しは据え置いた。半導体不足に加え、東南アジアではコロナ禍で工場の稼働停止や部品供給の停滞が続いており、先行きは不透明。資材高騰リスクも高まっている。コスト削減の積み上げると同時に、生産計画を維持できるかが焦点となる。

日刊工業新聞2021年8月5日

キーワード
トヨタ 半導体

関連する記事はこちら

特集