【独自調査】コロナ禍前の業績に戻るのはいつ?企業経営者たちの声

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ワクチン接種の進展により集団免疫を獲得できるまで、視界不良な経営環境が続く(代表撮影)

米中など海外経済の拡大に伴い、日本企業の業績も回復傾向にある。ただ大手企業の経営者は、コロナ禍以前の業績水準に戻るのは2022年以降と慎重に見通している。新型コロナウイルスへの感染は収束どころか拡大傾向にあり、都市部を中心に緊急事態宣言・まん延防止等重点措置が発出され、企業活動は制約を受けている。ワクチン接種の進展により集団免疫を獲得できるまで、視界不良な経営環境が続く。

日刊工業新聞社は6月から7月にかけて、大手経営者100人および中堅・中小経営者100人の計200人を対象に景気定点観測調査を実施し、19日付の本紙1面に「下期、緩やかに拡大」との見出しで結果を掲載した。同調査では「番外」としてコロナ問題に特化した質問も行っており、その部分にフォーカスして検証する。

大手経営者には3項目を質問した。コロナ禍前の業績水準(売上高)に戻る(戻った)時期については、「2022年以降」が41%と最も多く、2番目に多いのが「その他・無回答」の26%だった。業績は回復傾向にあるものの、コロナ禍前までには至っていない企業や、回復時期自体を見通せず何らかの理由で回答を留保していた企業が多かった。

一方、すでにコロナ禍前に戻ったと回答した経営者は21%だった。回復時期は「20年7―9月」が2%、「同10―12月」が8%、「21年1―3月」7%、「同4―6月」4%。近くコロナ禍前に戻るとの回答は「同7―9月」が3%、「同10―12月」が7%だった。

また、21年12月の業績予想(売上高)がコロナ禍前の19年12月実績値と比べて、どの程度回復するかを質問したところ「100%以上」が32%、次いで「75%以上―100%未満」の25%が続いた。年末から21年にかけてコロナ禍前ないしそれ以上の売上高に回復するとの見立てだ。

ただ「その他・無回答」も42%あり、先行き不透明な経営環境をうかがわせる。

コロナ禍対策として引き続き取り組む施策(複数回答)については「オンライン会議の採用」が96人と最も多く、次いで「在宅勤務(テレワークなどを含む)」の95人、「時差出勤」91人が続いた。

アンケートを回収後、東京都で緊急事態宣言が発出されるなど、大都市を中心に新規感染者は拡大傾向にある。ワクチンの累計接種人数は全国で4000万人超(2回目接種は2500万人超)だが、接種が順調に進み、感染抑制の顕著な効果を得られるかが当面の焦点になりそうだ。

日刊工業新聞2021年7月20日

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