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コロナ禍で増えた従業員のマイカー使用。企業賠償リスクを補償する保険登場

東京海上日動火災保険が発売
コロナ禍で増えた従業員のマイカー使用。企業賠償リスクを補償する保険登場

マイカー利用の許可が増える中、企業は使用者責任を問われるリスクが高まる(イメージ)

東京海上日動火災保険は従業員のマイカー使用による企業の賠償リスクを補償する保険を発売した。通勤や業務中のマイカー利用を認める企業が増える一方、自動車保険の加入漏れや失効を完全に防ぐことは難しく、使用者責任などを問われるリスクが高まっていた。現在はコロナ禍での感染リスクを防ぐため、公共交通機関ではなく自家用車を利用するニーズが高まっており、多様な働き方を安心して推進できるよう後押しする。

中小企業の事業リスクを包括的に補償する東京海上日動の「超ビジネス保険」で「施設・事業活動遂行事故の補償」に加入している契約が対象。追加の保険料負担なく自動的に付帯する。同補償に加入している企業数は非開示だが、建設業や飲食・宿泊業、卸売業が多いという。事業活動の遂行のため運転中に起きた人身・対物事故などを対象とし、保険金の支払い上限は10億円。従業員個人の自動車損害賠償責任保険(自賠責)や自動車保険での補償範囲を超えた金額を支払う。

コロナ禍では一時的に業績が悪化した企業が人手不足の企業などと「在籍型出向」を活用して雇用維持を図る制度が注目された。受け入れる企業との間で雇用契約が結ばれている場合は、出向者も補償対象に該当。また、実質的に業務の下請け関係にある企業の従業員が起こした事故も対象としており、「従業員」の定義が広い点が特徴となっている。

日刊工業新聞2021年7月16日

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