人材定着が難しいコールセンター、AIの力で従業員の負担軽減に

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東京海上日動は、事故発生までの当事者間の走行軌跡をドラレコデータから自動で作成するシステムを導入した

東京海上日動火災保険は、自動車事故を受け付ける損害サービス現場にAIを導入した。ドライブレコーダーのデータを基にしてAIが責任割合を自動算出するほか、事故発生までの当事者間の走行軌跡も衝撃を感知して自動的に作成する。オペレーターは事前に事故概要を把握して顧客応対が可能。担当者は「示談交渉もスムーズとなり、迅速な保険金支払いの一歩になる」と話す。

MS&ADグループの中核損保2社ではコンタクトセンターにAIを実装した。三井住友海上火災保険はAIを活用した電話応対スクリプトの自動表示システムを導入。新規契約手続きの場面で、顧客別に聴取すべき事項が表示される。

これまでは冊子のスクリプトで対応していたが、業務難易度が高く新規採用者の定着率に課題を残していたという。

あいおいニッセイ同和損害保険は音声認識システムにAIを搭載している。対話内容をテキストデータに変換し、事前に登録したキーワードを検知すれば画面上に強調して表示する。感謝や意見など顧客の入電理由を早期に把握しやすくなる。証券番号や電話番号といった顧客の基本情報を自動で抽出するため、入力ミスの低下にもつながる。

損保ジャパンは伊藤忠テクノソリューションズの自動音声対応ソリューションをコールセンターに導入した。AIが発話内容から用件を認識。登録住所の変更や控除証明書の発行手続きなどをAIが自動で受け付ける。有人対応が適切と判断すれば転送する応用性を持ち合わせる。現在は自賠責保険の問い合わせで活用しており、2020年度内に年間約9万件の問い合わせのうち、30%程度で自動応答を活用する考え。

コールセンターは人材確保が一段と厳しくなっていると同時に、高度な受け答えには一定の経験を必要とする。デジタル活用によって現場課題の解決と顧客満足度向上につなげている。

日刊工業新聞2020年5月29日

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