楽天が先陣、クレカ大手が証券会社と連携を加速させる狙い

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三井住友カードはランクごとにポイント付与率を設定(新カードのゴールド)

ポイント付与、若年層に普及

クレジットカード大手が証券会社との連携を加速している。証券会社での投資信託の毎月の積み立てをカード決済できるようにする動きが広がる。楽天カードが市場を開拓し、クレディセゾンが続いたところに、三井住友カードが参入した。カード決済でたまるポイントの新たな活用方法や、若年層の資産形成の手段として注目される。(戸村智幸)

カード決済での投信積み立ては2018年、エポスカード(東京都中野区)が日本で初めて開始。親会社の丸井グループが同年設立したtsumiki証券(同)と連携してのサービスだ。

楽天カードも同年、楽天証券と始めた。毎月の投信購入に1%の楽天ポイントを付与し、翌月の積み立てに充てられる。他でためた楽天ポイントも使える。インターネット証券大手の楽天証券は投信数が多いこともあり、利用者は21年4月に100万人を超えた。

流通・小売りの企業グループが先行したのに対し、金融企業は連携で体制を整備。クレディセゾンは19年、新興証券のスマートプラス(東京都千代田区)と組み、株式と投信でのカード積み立てを始めた。

そこに、三井住友カードが加わる。連携相手はネット証券最大手のSBI証券だ。8月から、SBIでの投信積み立てをカード決済すると、三井住友カードのポイント「Vポイント」を付与する。

初回の8月の積み立て設定は7月10日に締め切った。同日までにSBIの証券口座にひも付けられた三井住友カードは約7万件。全てが積み立て設定されたわけではないが、三井住友カードは滑り出しは好調と認識。中村雅和運用ビジネス推進部グループ長は「大変好評をいただいている」と手応えを語る。

同社はカードのランクごとに、投信積み立てのポイント付与率を0・5―2%に設定。プラチナは2%、ゴールドは1%にして訴求材料にする。番号と有効期限を記載しない新カードのゴールドを1日に発行しており、投信積み立ての利用も見込む。

Vポイントは2月、スマートフォンのタッチ決済で使えるようになった。投信積み立てでたまるポイントをタッチ決済で利用してもらえば、ポイント経済圏を拡大できる。

今後参入する企業連合もある。新生銀行グループのアプラス(大阪市浪速区)はマネックス証券と組み、今冬以降に始める。マネックスの口座保有者用に5月に発行開始したカードが対象だ。清水哲朗新生銀行専務執行役員は「カード会社として投信積み立てへの対応は魅力的」と説く。

株式市場の活況もあり、楽天証券の口座数は約5カ月で100万増え、5月に600万口座を超えた。30代以下の比率が5年前より約10ポイント増の42・3%(3月末時点)となるなど、若年層の投資意欲は高まっている。この増加には、投信積み立てのカード決済も寄与しているのは確かだ。カード大手の参入拡大で、カード、証券双方でさらなる市場拡大が見込まれる。

日刊工業新聞2021年7月15日

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