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「より強い企業集団に変貌させる着火点」AGSが導入した新人事制度の中身

AGSは4月に新人事制度を導入した。社会インフラとしての情報システム構築を担う企業として、社員の自律的な成長を支え、意欲のある社員を公正に評価していくのが狙い。等級や評価、報酬、能力開発、働き方改革といった五つの制度を構築したほか、新型コロナウイルス感染症の拡大で運用が進んだ在宅勤務制度も改善。原俊樹社長は「より強い企業集団に変貌させる着火点にしたい」としている。

「将来像やキャリアパスが見えにくい」。新制度を設計する過程で、経営層以外の社員からも聞き取りを行った結果、「現状の人事制度に関してこうした意見が聞かれた」と高井秀夫人事部長は振り返る。

新制度の導入を本格的に検討し始めたのは19年10月ごろ。社外のコンサルタントを招き、人事部に新制度導入のための担当者を数人置いて、プロジェクトを進めた。世の中が変わるに連れ、社員の考え方も変わっていることに、人事制度をあわせる必要があった。

旧等級制度では、基幹社員は開発系は6等級、運用系は8等級と細分化していたため、各等級ごとの役割が不明確だった。新制度では定型業務と非定型業務の2系列に分け、それぞれを5等級で評価するという。

他方、IT(情報技術)や財務などの特定分野で豊富な知識を持つ社員に対し、その専門性に見合う処遇をするため「専門職コース」を導入。例えば、認定情報技術者の資格保有者をプロフェッショナルに認定する。

また管理職のマネジメントスキル向上などを狙い、上司だけでなく同僚や部下からも評価される「360度評価」を導入するほか、評価への納得性を高めるため、旧制度では相対評価方式だったものを新制度では絶対評価方式に変えた。

近年の働き方の多様化に伴い、理由を限定しない短時間勤務制度や週4日勤務制度を整備。在宅勤務制度の改定も進めている。

日刊工業新聞2021年6月8日

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