インドネシアで不振の日産、経営再建への一手で販売金融子会社を売却
日産自動車はインドネシアの販売金融子会社を同国自動車大手のインドモービル・グループに売却した。すでに現地での日産車の販売も同社への委託に切り替えている。販売不振を受け、現地生産だけでなく自前での販売の維持も難しいと判断した。インドネシア事業を早期に黒字化し、同社全体の経営再建につなげる。
日産は同社が保有するインドネシアの自動車販売金融子会社の全株式75%を、インドモービル・グループに3800億ルピア(約30億円)で売却した。インドモービルは同金融子会社の株式90%を取得し、日産車の現地販売と金融事業を一体運営できる体制を整えた。
日産は2020年8月にインドモービル・グループとの連携強化のため覚書を交わした。併せて日産の現地販売子会社の株式の過半を売却。日産は同販売会社の株式25%を引き続き保有するが、現地での日産車の販売やサービスをインドモービルに委託した。
調査会社のマークラインズによると、日産のインドネシアでの販売は14年に8万台を超えていたが、20年には約7分の1の約1万1000台まで減少。20年4月には新興国向けブランド「ダットサン」の販売を終了し、同年5月に同国西ジャワ州の工場も閉鎖した。
日刊工業新聞2021年7月13日