日産の社外取締役・井原氏が描く電動3輪バイクの野心的な戦略。生産能力8倍に

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前2輪式の電動3輪バイク「GOGO!」。左は井原社長

Future(フューチャー、東京都港区、井原慶子社長)は電動3輪バイクの年産能力を2022年に現行比約8倍の1万台に引き上げる。約50人を雇用し、東海地区に新工場を建設する計画。4月に同バイクを発売し、自治体や商業施設からの引き合いが相次ぐ。生産能力が不足するとみて量産体制を敷く。コロナ禍で宅配や近距離移動ニーズが高まっており、小回りが利き、比較的安価な超小型モビリティー市場が広がりそうだ。

フューチャーの電動3輪バイク新工場ではロボットを活用し部品加工や車両組み立てなど大半の工程を自動化する計画。自動車産業が集積する東海地区に構え部品調達網も強化する。新工場稼働後、既存の鈴鹿工場(三重県鈴鹿市)は主に研究開発拠点として活用する方針。

同社は日産自動車の社外取締役を務める井原氏が20年10月に設立した。電動3輪バイクは重量を20キログラム程度に抑え、女性や高齢者でも扱いやすいのが特徴。1回の充電で約60キロメートル走れる。道路交通法上は「ミニカー」扱い。価格は23万8000円から42万8000円(消費税抜き)。

電動3輪バイクと、それを活用したサービスを展開するためのアプリケーション(応用ソフト)をセット提供する。観光地でシェアリングを始めたい自治体や商業施設などに提案している。

電動3輪バイクの販売台数は4月の発売から2カ月で約150台となり、約200台の受注残を抱える。21年度は1200台の販売を目標とする。

20年の道路運送車両法一部改正により超小型モビリティーの公道走行などが解禁され、ベンチャーや大手企業の新規参入が相次ぐ。井原社長は「近場を手軽に移動できる手段がほしいという声が増えてきた」と指摘。矢野経済研究所は、21年に超小型モビリティーの国内販売台数が19年比約9倍増の5700台に伸びると予想する。

日刊工業新聞2021年7月5日

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