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コロナ禍の21年上期・企業倒産、記録的な低水準だった理由

帝国データバンク(TDB)と東京商工リサーチ(TSR)が8日それぞれ発表した上期(1―6月)の企業倒産は、ともに3000件台で記録的低水準だった。TDBは2000年以降で最少、TSRは90年以来2番目に少なかった。コロナ禍が続くが政府や金融機関の資金繰り支援が奏功した。TDBは前年同期比21.8%減の3083件、TSRは同23.9%減の3044件。TDBは7業種中5業種で、TSRは全10産業中8産業で前年同期を下回った。今後は企業の過剰債務の影響が出るとみられる。TSRは「倒産件数は夏以降増加に転じる」、TDBは「原材料価格高騰を販売価格に転嫁できない状況が今後に影響する」とみる。

日刊工業新聞2021年7月9日

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