持続可能な公共交通へ自動運転バス支援システムの全貌

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自動運転バスに子どもたちが乗車体験。車内カメラで乗客の動きを把握できる

自動運転で持続可能な公共交通を

BOLDLY(東京都千代田区、佐治友基社長)は、自動運転バスの導入支援や運行管理システムを提供する。地方の公共交通が疲弊し、車を運転できない子どもや高齢者の足が減っている。ただ運賃だけで地域交通ビジネスを支えられるのは都市部に限られる。自動運転技術で運行を効率化し、持続可能な公共交通をつくる。

国連の持続可能な開発目標(SDGs)では「住み続けられるまちづくりを」を掲げている。社会的弱者を含めて、人々に公共スペースなどへの普遍的アクセスを2030年までに提供することが目標だ。日本は先進国でありながら、地方の足が疲弊している。人手不足でドライバーが集まらないためだ。自動運転は1人の遠隔監視で複数台の車両を運行できるようになりつつある。

BOLDLYは自動運転の実証実験を100回以上支援し、3万5000人の乗客実績がある。運行管理システム「ディスパッチャー」は19車種に対応する。佐治社長は「自動運転というと車両に関心が集まる。だが交通事業者にとっては整備や路線計画、運行管理をいかに効率化するかが大切」と指摘する。

1人で複数台の自動運転車両の運行を監視

ディスパッチャーでは運行時に車両の走行状態や位置、エンジンやパワートレーンなどの異常を確認できる。車内カメラで乗客の動きを把握。人工知能(AI)技術で座ったことを確認してから発車指示を出せる。車両点検など履歴も残せる。佐治社長は「地域交通の業務をアップデートしたい」という。

ただ普通のバスでさえ、自治体が交通事業者に補助金を出して支えている地域では導入は簡単ではない。そこで目的地のお店からもサポート代をもらう地域モデルを構想する。決済サービスの情報とバスの乗降情報をひも付ければ、バスを利用して買い物したお店を特定できる。このお店に公共交通の支援をお願いする。自治体が赤字路線を支えるのではなく、受益者も地域交通を支えることになる。佐治社長は「お店も交通事業者もお客を増やす努力が明確になる。赤字補填でなく、ポジティブな投資になる」と地域交通のモデルを発信していく。

日刊工業新聞2021年7月8日

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