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建設機械の出荷額は回復続く、増加の足取り確実に

日本建設機械工業会(建機工)が発表した5月の建設機械出荷金額は、総合計が前年同月比54・8%増の2050億4400万円で7カ月連続のプラスになった。輸出向けが同90・2%増の1395億5800万円と2倍近くに伸びて増加をけん引、プラスも7カ月連続だった。微減が続いていた国内向けも同10・9%増の654億8600万円で、5カ月ぶりのプラスになった。

総合計の伸び率は4月の同37・6%増から20ポイント近く拡大。建機工は「増加の足取りが、よりしっかりしてきた」と受け止めている。輸出は北米と欧州、オセアニア、アジアなどがそろってプラス。オセアニアは10カ月連続、欧州は8カ月連続の増加になった。北米は5カ月連続の増加で、伸び率は4月の同約35%増から同80%増へ急拡大。住宅建設投資のほか、バイデン政権が打ち出している公共工事拡大も追い風になっているとみられる。

アジアも3カ月連続増。オセアニアは豪州、アジアはインドネシアをそれぞれ擁しており「鉱山機械が回復している」(建機工)。輸出機種別でも建設用クレーンの同約24%増に対して油圧ショベルは同2・1倍、ミニショベルも同81%増となった。補給部品も同3・2倍となり「建機の実稼働状況が高いことを示している」(同)。

世界各地域が伸びた中で、中国は同5%減と4月に続きマイナスだった。ただ、現地生産が進んでいるため、構成比率は高くない。日本国内向けは民間建設工事の回復は鈍いものの、公共工事関係の土木建機の伸びが全体を押し上げた。


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日刊工業新聞2021年7月1日

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