回転速度は過去最高、三菱電機が半導体製造向けモーター開発

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三菱電機は最大回転速度を同社従来機比5割増の毎分1万回転に高めた、工場自動化(FA)関連設備向けサーボモーター(写真)を開発した。FA向けモーターとしては同社では過去最速で、業界でも最高級の性能を実現した。まず半導体製造工程のうち、基板を高速回転し薬液を均一に広げる用途での活用を見込む。高速回転でタクトタイム(製造時間)を短縮する。

7月1日に発売する。モーター1回転当たりの分解能は26ビット。標準価格は定格出力50ワットのモーターで11万1000円(消費税込み)。販売目標は設定していない。

既存モーターの最大回転速度は毎分6700回転だった。新モーターは設計変更により回転を高速化した。モーター内部の磁極数を10極から6極に減らしたほか、絶縁耐圧の向上や銅線の巻線領域の拡大に取り組んだ。

モーターは回転数が増加すると駆動周波数が上昇するため、鉄心と銅心部分で損失が生まれる。新モーターはこうした損失を低減することに成功した。

サーボモーターはエンコーダー(回転検出器)によって回転位置を検知しており、高精度な制御が可能だ。一般的には産業用ロボットや搬送装置などFA関連設備の動力として利用する。新モーターも同様の用途で活用される可能性もあるが、まずは高速回転の特徴を生かし半導体製造工程向けを想定する。

従来、薬液塗布の工程では、モーターにメカ機構を搭載して必要な回転速度まで増速させていた。新モーターはメカ機構を搭載せずに必要な回転速度を得られるため、装置の簡素化や費用削減、工程の高速化による生産性向上につながる。

新製品は三菱電機のサーボアンプ・モーターのシリーズ「メルサーボ―J5」のうち、回転型モーターの種類を拡充する目的で開発。「HK―MTシリーズ」の高速タイプとして展開する。同社は設計技術の向上やモーターの構成素材を見直すことで、一層の高速回転や高トルク化が可能とみている。

日刊工業新聞2021年6月28日

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